
メイキング映像
アーティストへのインタビューと、インスタレーション制作の舞台裏をご覧いただけます。

体験の記録映像
来場者が体験の終わりに受け取る映像をご覧いただけます。
コンセプト
デジタル写真、スマートフォン、SNS、そして生成AIといった新しいテクノロジーは、時として私たちに、体験そのものよりもその表現を優先させます。その結果、体験する喜びは、それを表現し他者と共有する喜びと切り離せないものとなります。また、実際に生きられた空間は表現された空間に取って代わられる傾向にあり、私たちはもはやポートレート写真やビデオ会議の背景が現実なのか仮想なのかを判別できなくなっています。私たちは次第に、ある空間における自らの実際の存在、あるいはその空間そのものの現実性さえも問わなくなっていくのです。
インスタレーション「Introspection」は、新しいテクノロジーが私たちの知覚、行動、社会的関係、そして現実世界との関わり方に与える影響を、とりわけ現実空間と表現された空間との間でますます曖昧になる境界を通して問いかけます。
インスタレーションの内部では、私たちは観客であると同時に演者でもあります。私たちの存在と動きは、インスタレーションそのものの一部となるのです。
体験の終わりに受け取る映像もまた、この参加の証となります。
私たちは、現実空間よりも表現された空間の中でこそ、より強く存在していると感じるのでしょうか。もはや自分を映し出すスクリーンの前に立っているだけでなく、そのスクリーンの中へ入り込み、表現された空間そのものの一部になっていると感じるのでしょうか。

インスタレーションとアーティスティックコンテンツ
インスタレーション
本インスタレーションは、観客であり演者でもある来場者たちに、現実空間と仮想空間の両方に同時に身を置く体験を提案します。来場者は、LEDスクリーンの壁で構成された20㎡の完全に空虚な正方形の空間の中を移動します。カメラが来場者をリアルタイムで撮影し、その姿は鏡のようにLEDスクリーン上に映し出され、常に変化し続ける仮想空間の中に統合されます。
来場者は、自身のスマートフォンで自分自身を撮影するよう促されます。目の前のスクリーンに映る、仮想空間内の自分自身の姿を撮影することも、現実空間でセルフィーを撮影することもできます。
また、来場者同士が自然に互いを観察し合い、現実空間と仮想空間の両方で互いを撮影し合うことにもつながります。インスタレーションは静的なオブジェではなく、パフォーマティブで参加型の体験です。
来場者はその空間に好きなだけ滞在し、座ったり、横になったり、あるいは自由に歩き回ったりすることができます。
抽象芸術の巨匠たちへのオマージュ
本インスタレーションは、抽象絵画の3人の巨匠(Kazimir Malevich、Wassily Kandinsky、Piet Mondrian)に敬意を表し、それぞれの世界を建築的な夢想として解釈し直すことを試みています。これらの建築的な夢想は、抽象芸術の傑作を再現したり、動的に再構成したりするものではありません。むしろ、それぞれの絵画世界に対する内省的な探究であり、その論理、構造、内的な仕組み、そして没入の可能性を掘り下げながら、それらを実際に体験できる環境や空間へと変換する試みです。
インスタレーション1 — Black Square in White Space



『Black Square in White Space(ブラック・スクエア・イン・ホワイト・スペース)』は、ロシアの画家 Kazimir Malevich(カジミール・マレーヴィチ)が1915年に制作した抽象芸術を象徴する絵画『Black Square on White Background(黒の正方形)』へのオマージュとして制作された作品です。その極限まで単純化された表現は、美術史において急進的な断絶をもたらし、絵画を現実の再現から解放しました。
インスタレーションの中では、白い空間に浮かぶ黒い正方形が観客の周囲を周回しています。その正方形は観客の背後へ移動すると見えなくなり、前方へ現れると再び姿を現します。この効果は、投影されたイメージと物理的な存在との境界を曖昧にし、観客の空間認識を揺さぶりながら、自らの存在そのものを問いかけます。「私はスクリーンに投影された映像を見ているのか、それとも私自身がスクリーンの内部にいるのか?」
インスタレーションのカメラは、二つのLEDスクリーン壁が交わる角の高い位置に設置されています。これは、Kazimir Malevich(カジミール・マレーヴィチ)の作品が持つ神秘的な側面へのオマージュです。マレーヴィチは1915年の展覧会において、自身の絵画を展示室の壁の角の高い位置に掛けましたが、その場所はロシアの家庭において伝統的に宗教的イコンが飾られる特別な位置でした。このインスタレーションでも、1915年の展示と同じように、観客は自然と上を見上げるよう導かれます。
インスタレーションのサウンド空間には、映画『Drôle de drame(ドロール・ド・ドラーム)』の一場面が使用されています。この作品は、Marcel Carné(マルセル・カルネ)によって1937年に制作され、Jacques Prévert(ジャック・プレヴェール)の有名な台詞を、Louis Jouvet(ルイ・ジューヴェ)が語る「Bizarre, bizarre…(奇妙だ、奇妙だ……)」というフレーズが含まれています。この音響演出は、インスタレーションの奇妙でミニマルな雰囲気をより強く際立たせています。
インスタレーション2 — Space with Yellow, Red, Black, Blue and Grey



Piet Mondrian(ピート・モンドリアン)へのオマージュ・インスタレーションでは、観客は、アーティスト特有の視覚世界である長方形の幾何学的形態と原色(赤・青・黄)によって構成された空間の中を移動します。一見すると二次元に見えるその空間は、次第に三次元空間へと変化していきます。絶えず変化し続ける線と面は、物理的な空間を超えて延びていくかのように広がり、観客自身がインスタレーションの一部となる無限の建築空間を生み出します。
インスタレーション『Space with Yellow, Red, Black, Blue and Grey(スペース・ウィズ・イエロー、レッド、ブラック、ブルー・アンド・グレイ)』は、オランダの画家 Piet Mondrian(ピート・モンドリアン)と、1920年の作品『Composition with Yellow, Red, Black, Blue and Gray(イエロー、レッド、ブラック、ブルー・アンド・グレイのコンポジション)』へのオマージュです。この作品群は、垂直線と水平線、長方形の幾何学的形態、そして原色によって構成されています。
Piet Mondrian(ピート・モンドリアン)の視覚世界は、まるで建築的な構造体の一部であるかのような秩序を感じさせます。それぞれのコンポジションは、より巨大な構造の断片のようにも見え、もし幾何学的な形態が一つずつ消えていったなら、その背後にはどのような無限空間が現れるのだろうかと想像させます。
インスタレーションのサウンド空間には、フランスの作曲家 Maurice Ravel(モーリス・ラヴェル)によって1904年に作曲されたピアノ曲『Oiseaux tristes(悲しい鳥たち)』が使用されています。Maurice Ravel(モーリス・ラヴェル)はこの作品について、「暗い森の中で道に迷った鳥たち」を表現したかったと語っています。
インスタレーション3 — Waltz of Shapes



インスタレーション『Waltz of Shapes(ワルツ・オブ・シェイプス)』は、ロシア出身の画家 Wassily Kandinsky(ワシリー・カンディンスキー)と、1923年の抽象作品『Composition VIII(コンポジション VIII)』へのオマージュです。絶えず動き続けるモビールの中心に立つ観客たちは、インスタレーションそのものの一部となります。
インスタレーションのサウンド空間には、1920年に Albert Willemetz(アルベール・ヴィルメッツ)によって作詞され、Mistinguett(ミスタンゲット)によって歌われたフランス歌曲『Mon homme(モン・オム)』が使用されています。
抽象芸術の巨匠たちへのオマージュ
Introspection は、抽象絵画の偉大な巨匠たちへのオマージュとして制作された没入型インスタレーションです。

Kazimir Malevich — Black Square, 1921

Piet Mondrian — Composition, 1921

Wassily Kandinsky — Composition VIII, 1923

El Lissitzky — Proun 19D, 1922

Joan Miró — The Morning Star, 1940

Paul Klee — Castle and Sun, 1928

Sonia Delaunay — Prismes électriques, 1914

Jackson Pollock — Numéro 15, 1950

Guillaume Apollinaire — Poèmes à Lou, 1915

Victor Vasarely — Vega-Nor, 1969

Georges Braque — Violin and Candlesticks, 1910

Henri Matisse — La Gerbe, 1953
空間演出の提案
Disguise xRシステムは、観客であり演者でもある来場者が自分自身を発見する2枚のLED映像返しウォールと組み合わさり、巡回展示のためのモジュールを形成します。このモジュールは、他の同等のモジュールと組み合わせることで、さまざまな規模のインスタレーションを構築することも可能です。

1モジュール

3モジュール

5モジュール

近代美術に捧げられた没入型ミュージアム
より大きなスケールで見れば、近代美術に捧げられた図書館として構想されたミュージアムであり、没入型のアートインスタレーションが随所に配置されています。それぞれの空間が独自の芸術体験を明らかにし、近代美術の世界を巡る旅を提供します。
直線的ではなく、むしろ迷路のような動線であり、来場者はそこで迷い、インスタレーションを見たり見返したりすることを楽しむでしょう。音響空間も家具も、すべて展覧会で取り上げられているアーティストたちと同じ時代のものです。
例えば、Piet Mondrianへのオマージュとなる没入体験の後、来場者はこの作家とオランダのデ・ステイル運動に関する書籍を、同じ芸術運動を象徴する人物である Gerrit Rietveld の家具でしつらえられた空間の中で閲覧するよう案内されます。
Credits
アートインスタレーション
Christophe Defaye、Olivier Defaye
コンテンツ制作
AOKIstudio(https://aokistudio.co.jp)
コンテンツプロデューサー:青木真樹子・諏訪重浩
スペシャルサンクス:三井達朗・山盛博隆・川合孝宗
システム設計・体験設計
ヒビノメディアテクニカル / メディアイノベーションユニット(https://www.media-t.co.jp)
プロデューサー:荻野憲司
テクニカルディレクター:大川原英樹
エクスペリエンスエンジニア:樋口研・本郷智宏
テクノロジーパートナー
Disguise(https://www.disguise.one)
機材のご提供とご支援をいただいたDisguise社に心より感謝申し上げます。










